2023年2月24日で、ロシアによるウクライナ侵攻1年を迎えた。毎日新聞2月24日の朝刊の見出しは、「戦況膠着 絶えぬ犠牲 ウクライナ侵攻1年」である。現時点では、戦争終結の見通しを持つことができない状況である。
そもそも、この戦争(ロシアの言い方では、「特別軍事作戦」)は、クリミア併合で味をしめたロシアが短期決戦でウクライナを支配下に置き、東部の一部をクリミアのようにロシアに取り組めると考えたからだ。目論見が外れて現在は、長期戦となっている。
戦争を始めた側は、短期で制圧できると思ってもそうでないことは、歴史を振り返れば多々あることは言うまでもない。
少し例を挙げれば、
① 世界第一次世界大戦は、1914年7月18日に始まった。当初みんなの意識には、「クリスマスまでには、終わる」という意識だったそうだ。しかし戦争は長期戦となり、終戦は、1918年11月11日である。戦闘員900万にと非戦闘員700万人以上が死亡した。史上死亡者数がもっとも多い戦争の一つである。
② 日中戦争は、1937年7月7日盧溝橋事件から始まった。当初、蒋介石政権が降伏するとみていた節も見られる。同年の南京占領でも中国の抵抗は続き、1945年まで(日本の降伏)まで続いた。(1931年の満州事変から始まった捉えると、日中戦争は、15年で、「15年戦争」とも言われる。)
③ ベトナム戦争も同じである。1964年にアメリカ軍がトンキン湾事件を起こして参戦したことで、一気に全面戦争に突入した。戦争終結の1975年4月30日まで、10年近くも続いた。
④ プーチンは、多くのロシア兵に死者を出し、ウクライナでの戦果を挙げられないと自身の政権が持たないと考えるのか、現時点での戦争終結には入ろうとしていない。
⑤ ウクライナの人々も、自分たちの生活を守るため徹底抗戦と必死である。
戦争で今までの生活を失った人を支援し、戦争を終わらせる努力をする側も長期戦の気持ちで臨まねばならないだろう。