2024年元旦に発生した、能登半島地震は、様々な面で甚大な被害をもたらしている。ここでは、海底の地盤が隆起による石川県の漁港を中心として被害の様子と回復ができるのかということを見ていきたい。
(参考 2024年2月14日 毎日新聞朝刊など)

(1) 今回の地震の特色

① 能登半島の成り立ち自身が長い間の隆起によって生じてきたようだ。

② ここ3年程、この能登半島は、群発地震が増えてきていた。昨年は、8月時点で200回以上の群発地震が起きていた。

③ そして、今回の隆起は、1月8日に調査した産業技術総合研究所・地質調査総合センターの宍倉正展グループ長(古地震学)によると、これほどの隆起は「数千年に1度」といい、海岸線は、100~200メートルほど沖合に後退したのを確認した。

海岸隆起2024・2

(2)今回の被害

① 県によると、県内69漁港のうち約87%に当たる60漁港で、岸壁や防波堤などで損傷が確認された。

② イカ釣り漁港の拠点港として知られる鹿磯(かいそ)漁港(輪島市)は、隆起が4メートルに達した。

③ 多くの漁船が輪島港では、運航ができなくなり、県漁協も1月23日に開いた会合で、輪島港に係留されている200隻の漁船のうち航行不能となった船を被害の少なかった港に移す方針を決定。

(3) 復興の課題

困難が山積みであるけれど

① 復旧が進んでも、担い手がいなければ再建は難しい。高齢化が進む漁業者の離職防止が差し迫った課題。

② 漁港の再建には、多額の費用と年月がかかる。

③ 様々な困難が待ち受けているが、県では、隆起した岩盤を生かして特産の岩ノリの畑を作り、観光スポットにする案も浮上しているという。

④ 水産関係者は、「単なる復旧にとどまらない対応をしていかなければいけない。ピンチをチャンスに変え、石川らしい里海を応援したい」としている。

⑤ 再興のキーワードとして、政府が全国で推している「海業(うみぎょう)」になる可能性がある。漁業に観光業や商業などを組み合わせて賑わいを生み出すという考えだそうだ。

いろいろ模索が始まっているようだが、ぜひ、漁業の再興ができて、これで生活が成り立つように祈っているし、応援したい。