広島市の小中高校が取り組む「平和教育プログラム」の教材から、米国のビキニ水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」を削除することを受け、広島市の被爆団体や教職員組合などは(2023年)3月10日 決定を撤回するように市教育委員会に要望した。

広島市教委がプログラムを再検討する中で、「第五福竜丸」が被ばくした記述のみにとどまり、被爆の実相を確実に継承する学習内容となっていない」という指摘が出たとのこと。

第五福竜丸の記事は、ぜひこれからも残し伝えてほしい、教材としても残してほしいものである。

① 「第五福竜丸」の事件は、被ばくは、広島・長崎で終わっていないということを明確に伝える内容・事件である。

② 第五福竜丸でなくなった無線長の久保山愛吉さんの残した「原水爆の被害者は、私を最後にしてほしい」という重い言葉を残している。ぜひこれを多くの人たちに伝えたい。

③ 実際には、第2次世界大戦後にアメリカが太平洋地域で核実験を繰り返したため、多くの被爆者、放射能が残る被爆地を今も残している。第五福竜丸事件は、それへとつながる事件である。

④ 東京にある「第五福竜丸記念館」は、その被ばくの実態を伝える記念館である。修学旅行の生徒や、校外学習で訪れる人も多い。広島を含め全国の方に訪れてほしい記念館である。

⑤ 「はだしのゲン」に続いて第五福竜丸の記事の削除は、どうも一連の流れを感じさせる。つまり、真相にせまる「生きた教材」から子どもたちを遠ざけるという流れと思ってしまう。

⑥ もう一つは、アメリカの関与を感じさせない教材とする流れである。

⑦ 岸田首相は、「はだしのゲン」を読まれたのだろうか。読まれた経験がおありならぜひ感想を聞いてみたいものだ。

「はだしのゲン」を多くの人が読み、「第五福竜丸」を通して、もうどこの人々、土地が被爆者・被爆地にならないように心がけたいものだ。