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2024年10月15日衆議院選挙が公示され選挙戦がスタートした。立憲民主党は9月23日に臨時党大会を開き、野田佳彦元首相が新代表に選出された。10月の総選挙の行方にも注目であるが、野田代表の下で、今後立憲民主党がどのように歩んでいくのか私としては心配でならない。
その心配の理由をいくつか挙げてみたい。

①立憲民主党の今後の方向はどこへ?

立憲民主党が今後どのように進むかにもかかわるが、野田佳彦さんは、どうも保守層を取り込み選挙で勝ち、一定程度の保守層の支持のもとに政治を進めていく方向のようだ。

9月2日のBSフジの番組で、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障について「すぐに何かを変えるのは現実的でない」と述べた。立憲民主党は、2022年の参院選公約で安保法制の「違憲部分の廃止」を掲げていたが、野田さんはこれを見直すことを示唆している。これに対して、当時「野党共闘」を成り立たせていた日本共産党が反発している。今回野党共闘、特に日本共産党との共闘がなかなか実現しないこともこれと関係していると思われる。

② 消費税の扱いはどうしていくの?

消費税の扱いについても、今回の衆議院選挙の公約では、消費税の引き下げではなく、「消費税の逆進性対策として、中低所得者が負担する一部を税額控除し,控除しきれない分を給付する「給付付き全額控除」(消費税還付制度)を導入する。」としている。

消費税こそ、逆進性が高く、引き下げの方向に向かってほしいのにこちらの方向には向かう感じではない。さらに消費税について、新しく立憲民主党の幹事長となった、小川淳也さんは、2024年元旦の民放の討論番組で「消費税は最低でも北欧並みの25%は必要」と発言している。

野田佳彦さんも、2012年11月の党首討論で安倍自民党総裁に対して「消費税を上げる代わりに議員定数削減を約束するなら解散しても良い」と言ってのけて総選挙で財敗した過去がある。二人ともどうも基本、消費税を維持・あるいは上げていくことを容認していく政治家のようだ。

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③ 立憲民主党が「第三自民党」になる心配は?

今回の選挙。立憲民主党はある程度躍進するかもしれないが、結局方向性としては、かなり保守層に依拠して大企業を重視する形の党になってしまうのではないか。日本維新の会との連携を模索する動きもその証左である。かつて、日本維新の会は、「第二自民党」で良い。という党首の発言があった。下手をすると、立憲民主党は「第三自民党」に成り下がる心配がある。

④国民の生活を大事にするための政治に向かうには?

9月の立憲民主党の党大会では、この野田佳彦が新党首として選ばれた。「演説がうまい」「党の顔にふさわしい」ということで支持を集めている面もあるようだが、広い観点からみると、国民の生活を大事にする方向の政治家とは思えない。たとえ、総選挙で党勢を拡大させたとしても、アメリカに強く依存する政治や、大企業よりの政治にならないように党員は心がけなければいけないのではないかと強く思う。

現在、本当に国民のための政治をおこなう党があるのだろうか。立憲民主党の政治、野田佳彦の政治をチェックしながら、より良い政治を求めていきたい。

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日本の被爆団体がノーベル平和賞を授賞した。とても喜ばしいことである。この影響や意味について考えてみたい。

日本被団協とは?

正式名称:日本原水爆被害者団体協議会
米国が1945年8月に広島・長崎に投下した原爆の被害者による唯一の全国組織。36都道府県にある地方組織で構成される。
1956年8月10日に長崎市であった第2回原水爆禁止世界大会で結成された。
1945年8月、米軍の原爆投下で二つの都市は壊滅し、その年末までに21万人以上が亡くなった。生き残った人々も大けがをした。今も多くの被爆者が放射線の後遺症に苦しんでいる。

この受賞の背景と意味・さまざまな影響

① ノーベル平和賞の授賞理由

ノーベル賞委員会は、「核兵器のない世界の実現に向け努力し、二度と使われてはならないと、証言を通じて示した。世界で幅広い運動を生み出し、核のタブー確立に大きく貢献した」と理由を説明した。

② 「核兵器禁止の声」勢いを増す

現在ウクライナや中東で核兵器使用の懸念が高まる中、核兵器の不使用、核兵器の非人道性を訴えてきた日本被団協が評価された。

③ 若者たちの活動にも励ましとなる

広島市は、10月13日被爆者や核兵器廃絶運動に携わる人たちがい集まって受賞の決定を祝った。参加した核政策を学ぶ若者グループ「カクワカ広島」の田中美穂さんは、「改めて受賞の重みを感じました。世界の注目が集まっている今、被爆者の声をより世界へ届けなければならないし、日本政府の姿勢を変えさせるよう取り組んでいきたい」と話した。昨年第7回三多摩平和交流会で講演してくれた高橋悠太さんは、この「カクワカ広島」の共同代表。

④ 日本の政策への変更を求める声が強まる

日本政府は、「日本は唯一の戦争被爆国」と言いながら、核兵器禁止条約にも参加していない。

1,10月12日記者会見を開いた被団協の田中てるみ代表委員(92)は、米国の核兵器を共同運用する「核共有」に石破茂首相が言及していることについて「論外。怒り心頭だ。核の恐ろしさを知っているなら考えなさいと言いたい」と批判した。

2,「日本は核兵器禁止条約を批准すべきだ」と声が高まる。少なくとも
これまでずっと背を向け続けている核兵器禁止条約への「オブザーバー」参加から始めるべきではないか。政府に迫りたい。

この被団協のノーベル平和賞授賞を契機に日本・世界で核兵器禁止の動きが高まるよう期待したい。できれば、私もその一翼を何らかの方法で担えたらと思う。

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