日本の被爆団体がノーベル平和賞を授賞した。とても喜ばしいことである。この影響や意味について考えてみたい。
日本被団協とは?
正式名称:日本原水爆被害者団体協議会
米国が1945年8月に広島・長崎に投下した原爆の被害者による唯一の全国組織。36都道府県にある地方組織で構成される。
1956年8月10日に長崎市であった第2回原水爆禁止世界大会で結成された。
1945年8月、米軍の原爆投下で二つの都市は壊滅し、その年末までに21万人以上が亡くなった。生き残った人々も大けがをした。今も多くの被爆者が放射線の後遺症に苦しんでいる。
この受賞の背景と意味・さまざまな影響
① ノーベル平和賞の授賞理由
ノーベル賞委員会は、「核兵器のない世界の実現に向け努力し、二度と使われてはならないと、証言を通じて示した。世界で幅広い運動を生み出し、核のタブー確立に大きく貢献した」と理由を説明した。
② 「核兵器禁止の声」勢いを増す
現在ウクライナや中東で核兵器使用の懸念が高まる中、核兵器の不使用、核兵器の非人道性を訴えてきた日本被団協が評価された。
③ 若者たちの活動にも励ましとなる
広島市は、10月13日被爆者や核兵器廃絶運動に携わる人たちがい集まって受賞の決定を祝った。参加した核政策を学ぶ若者グループ「カクワカ広島」の田中美穂さんは、「改めて受賞の重みを感じました。世界の注目が集まっている今、被爆者の声をより世界へ届けなければならないし、日本政府の姿勢を変えさせるよう取り組んでいきたい」と話した。昨年第7回三多摩平和交流会で講演してくれた高橋悠太さんは、この「カクワカ広島」の共同代表。
④ 日本の政策への変更を求める声が強まる
日本政府は、「日本は唯一の戦争被爆国」と言いながら、核兵器禁止条約にも参加していない。
1,10月12日記者会見を開いた被団協の田中てるみ代表委員(92)は、米国の核兵器を共同運用する「核共有」に石破茂首相が言及していることについて「論外。怒り心頭だ。核の恐ろしさを知っているなら考えなさいと言いたい」と批判した。
2,「日本は核兵器禁止条約を批准すべきだ」と声が高まる。少なくとも
これまでずっと背を向け続けている核兵器禁止条約への「オブザーバー」参加から始めるべきではないか。政府に迫りたい。
この被団協のノーベル平和賞授賞を契機に日本・世界で核兵器禁止の動きが高まるよう期待したい。できれば、私もその一翼を何らかの方法で担えたらと思う。